SNS時代の金投資詐欺:たった一つでできる対策とは
SNSの発展に伴い、私たちの投資環境は大きく変化しましたが、それに伴って新たな詐欺の脅威も増加しています。本記事では、特にSNSによる金投資詐欺の実態について詳しく探ります。日々発生する様々な詐欺の手口や、過去の著名な事件を通じて、どのようにして詐欺が巧妙化しているのかを理解することができます。これにより、読者は自らの投資を守るための貴重な洞察を得ることができるでしょう。
また、金投資において特に重要な「現物であること」や、純金購入時の注意点についても具体的な対策を提案します。この情報は、潜在的な投資家にとって、自身の資産を安心して運用するために欠かせない知識となります。詐欺に遭わないための一つの確実な対策を知ることで、安心して投資を行う力を身につけましょう。
SNS時代における金投資詐欺の実情
近年、SNSの普及に伴い、金投資に関する詐欺が多発しています。若者からシニア世代まで、幅広い層がSNSを利用する今日、詐欺師たちは巧妙な手口で投資家を狙っています。このセクションでは、SNSを通じて行われる金投資詐欺の実態とその手口、特徴について詳しく解説します。
毎日の様に起こる詐欺の手口と特徴
三重県警名張署は3月7日、名張市の50代女性がSNS型投資詐欺で現金約1350万円をだまし取られる被害に遭ったと発表した。
女性は昨年10月にフェイスブックで知り合った人物から「経済学の教授をしているおばの指導を受け、金への投資をしている。あなたもやってみないか」などと誘われ、アプリをダウンロード。入ったLINEグループで指示されるまま、金投資や手数料などの名目で昨年11月から今年3月3日までの間に計8回にわたり現金を指定された口座に振り込み、だまし取られた。
うその金投資 詐欺被害約2500万円か 松阪市の70代女性
三重県松阪市の70代の女性が、SNSで知り合った人物から、「金の相場を事前に知ることができる」などと、うその投資話を持ちかけられ、あわせておよそ2500万円をだまし取られたことがわかりました。
先月中旬、松阪市に住む70代の女性のインスタグラムのアカウントに、「川端雄二」を名乗る人物からダイレクトメッセージが届きました。その後、やりとりをするうちに金への投資話を持ちかけられるようになりました。そして、今月上旬、「イギリスに住む叔母がアナリストの助けで、金の相場を事前に知ることができる」などと、みずから利益を上げているので共同で出資する形で金に投資するよう勧められたということです。女性は、それを信じ、7回にわたってあわせて2500万円余りを、指定された複数の法人や個人名義の口座に振り込んだということです。
廿日市市の40代の男性が、SNSで知り合った人物に「金への投資でもうかる話がある」などと持ちかけられて、1億1700万円余りに相当する暗号資産をだまし取られました。
廿日市市の40代の会社役員の男性は、ことし1月、フェイスブックを通して知り合った人物から、「金への投資でもうかる話がある」などと持ちかけられました。男性は誘いに乗って金への投資のためとして暗号資産のビットコインを購入し、投資資金や利益を引き出す際に支払う税金などの名目で、ことし5月までの16回にわたって、指定先に1億1700万円余りに相当する暗号資産を送ってだまし取られたということです。
SNS型投資詐欺でだまし取った金をマネーロンダリング容疑…3人逮捕、4年で500億円洗浄か
SNS型投資詐欺の詐取金をマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、警視庁は12日、東京都足立区、会社役員(37)ら3人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)容疑で逮捕したと発表した。警視庁は、昨年5月までの4年間で500億円超の犯罪収益が資金洗浄され、海外の金融機関などを経て詐欺グループに大半が還流したとみている
被害者(60代男性)は、SNS上で知り合った女性とSNS上でのやり取りが続き、関係性が深まったところで女性から「金の投資が儲かる。」と金投資の元金としての振込を指示されるとともに、被害者口座が凍結されていると騙され、「凍結された口座を解除するにはお金がかかる。」などと口座凍結解除料名目での現金振込を指示され、指定された口座に合計11回の振込を行い、合計約600万円をだまし取られた。
兵庫県警は10日、同県豊岡市の自営業の女性(71)が交流サイト(SNS)を通じ金の投資話を持ちかけられ、約1億6500万円をだまし取られたと発表した。SNS型投資詐欺事件とみて捜査している。 県警によると女性は2023年12月、投資サイトでやりとりしていた人物から金の運用を勧められ、LINE(ライン)のグループチャットに参加。そこで「先生」を名乗る人物に指示されてアプリに登録し、24年5月にかけて指定口座に22回入金した。 「貯金がなくなり投資できない」と連絡すると返信が来なくなり、県警に被害届を出した。
SNSを通じて行われる詐欺の手口は他の詐欺と変わり映えしませんが毎日のように被害者が出ています。
古くは豊田商事事件から
金投資詐欺は今日だけの問題ではなく、過去にも多くのケースがありました。代表的なものが1970年代の豊田商事事件です。この事件では、詐欺的な金投資を持ちかけた会社が数千人以上の投資家から数百億円もの金銭を集めました。豊田商事は「安定した利益」を謳い文句にし、多くの人々を魅了しましたが、最終的にはその運営が破綻し、多くの人々が財産を失いました。
現代においても、同様の手口が繰り返されています。SNS上で広がる情報や口コミが拡散することで、詐欺の被害はますます広がりを見せています。ある事例では、SNSで知り合ったアイドルが推薦する金投資商品に数千万円を騙し取られたという被害者が報告されています。
金投資詐欺は衰退するどころか、SNSの発展とともにますます増えています。なぜ騙されるのか不思議に思われるかもしれませんが、防ぐことはかなり難しいのが実情です。理由は、金に投資しているにも関わらず手元に金が存在しないためです。
金投資詐欺を防ぐための対策
金投資の人気が高まる一方で、詐欺の手口も巧妙化しています。消費者が安心して金投資を行えるようにするためには、詐欺を未然に防ぐための対策が必要です。ここでは、金投資詐欺を防ぐための対策として「現物であること」と「純金購入にあたっての注意点」に焦点を当てて説明します。
現物であること
金投資を行う際、最も重要なのは「現物であること」です。つまり、実際に目に見える形で金を保有することが、詐欺から身を守る唯一の確実性を持つ方法です。例えば、ETFs(上場投資信託)や純金積立は、金に投資しているとはいえ、現物を手に入れているわけではありません。いざ必要になったときに、一切の資産を回収できなくなるリスクが存在します。よって、実際に地金や金貨を購入することで、詐欺の可能性を大きく減少させることができます。
特にETFの場合は金の価格チャートを利用しているというだけで金による安全性は担保できません。現物の金を保有する金投資だけが一切の詐欺リスクがない唯一の方法です。
純金購入にあたっての注意点
次に、純金購入にあたっての注意点を見ていきましょう。金の投資詐欺を回避できても購入した金が偽物であれば意味がありません。
まず、金の純度です。金には様々な純度(カラット)がありますが、純金は24K(カラット)です。怪しい業者が提供する金の中には、「純度99.9%」と謳いながらも、実際には異なる純度で販売していることがあります。購入前に、純度がしっかりした物か確認することが不可欠です。
18金やジュエリーや中古品は投資に向かないため、LBMA認定マークのついた純金インゴットかウィーン金貨のような国別刻印のついた金貨の新品未流通品がおすすめです。特に中古は表記のグラムに達しない削られたものがあります。さらにペナルティのない造幣局の「ホールマーク」の入った純度詐称のジュエリーで騙されている人が後を絶ちませんのでお気をつけ下さい。
以上のように、金の投資を行う際には現物での取引を心掛け、純金の購入に際してはLBMA認定マークか国別刻印があるか注意を払うことが必要です。投資を行うからには、その行為を確実に安全なものにするための基本的な知識を身につけましょう。