関税発動のトランプショックが金相場に与える影響とは?
近年の国際情勢において、特にトランプ元大統領の関税政策が世界経済に与えた影響は計り知れません。その中でも、トランプショックと呼ばれる一連の出来事は、金融市場、特に金相場にどのような変動をもたらしたのでしょうか。この詳しい分析を通じて、読者はトランプショックの具体的な内容から、それが金市場に与えた影響、さらには金価格の変動要因について深く理解することができます。
トランプショックと金相場の関係
アメリカのトランプ大統領が、貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて自国の関税を引き上げる「相互関税」として、日本には24%の関税を課しました。また、個別の関税率を示していないすべての国や地域を対象に一律で10%の関税を課すこともあわせて発表し、世界経済への大きな影響を及ぼしました。株式市場は急激に下落し、為替も乱高下を繰り返す中、金相場はトレンドを形成しつつ、数日で史上最高値を更新する結果になりました。
トランプショックとは
トランプ大統領の関税による世界への影響は、トランプショックと言えるもので、日本以外の国や地域では、中国に対して34%、インドに26%、EU=ヨーロッパ連合に20%などとなっていて、さらにいずれの措置も大統領が緊急事態を宣言すれば輸入や輸出などに規制をかけることができる「IEEPA=国際緊急経済権限法」にもとづくもので、アメリカが抱える巨額の貿易赤字や国内産業の空洞化が緊急事態にあたるとしています。
これにより、投資家は市場の不確実性を感じ、リスク回避を強め、金を安全資産として選好する動きが強まりました。さらに為替差益を狙った投機も行われました。
トランプショック後の金相場
トランプ大統領が関税について発表したとき、為替の影響で300円以上金価格が下がりました。金の総量が増えたわけでも金の価値が下がったわけでもありません。金価格は毎日ロンドンで発表されているため、急激な円安による為替差によるものでした。世界の株式市場は大暴落を起こし新NISAも大幅安になりました。
その後、為替高の国から金が大量に投機購入され、さらに安全資産として投資から金に乗り換える動きが活発化して、数日後には一日で金が700円上がり、その後も数百円づつ上がり続け史上最高値を更新しました。
トランプショックが金価格に与える直接的影響
トランプショックが起こり、株式や為替、ファンドなど軒並み大暴落となり、SNS上でも破産や倒産の声が上がっています。投資のつもりで破産するリスクのある金融商品を購入するのは辞めましょう。元本割れのリスクがあると注意書きのある金融商品は、純金投資も含め投資に向いていません。現物の金を購入する投資方法であれば、破産は起こり得ません。
一方、金は為替の関係と、トレンドは上下を繰り返しながら一方に動いていくものなので、数日下げ調子になったあと一気に上がり史上最高値を更新し続けています。
ショックと名前がつくほど軒並み暴落し混乱期にあって金だけが暴騰していますが、特に驚くことではなく有史以来金は上昇トレンドを続けており、特に恐慌が起こると安定して上昇していきます。
金は古代より「価値の貯蔵手段」として重視されてきました。金は地球上で総量がこれから採掘される分を含め算出され価格に反映されています、お金が刷られ金余りが発生しお金の価値が下がることがインフレで、インフレは必ず進みます。金は総量が決まっていて、それ自体が価値を持っているのでインフレでお金の価値が下がると、相対的に価値が不変の金価格が上昇することになります。
さらに、レアメタルとして携帯やPCなど電子機器に欠かせない半導体に金は消費されています、これにより希少価値が上がり、金価格を上昇させる要因となっています。事実として、金には上昇トレンドしかないという歴史的事実があります。
現物の金を投資目的で購入するときは、いくつかの注意点があります。
まず、18金やジュエリー、中古品は投資に向かないため、LBMA認定マークのついた純金インゴットかウィーン金貨のような国別刻印のついた金貨の新品未流通品がおすすめです。特に中古は表記のグラムに達しない削られたものがあります。さらにペナルティのない造幣局の「ホールマーク」の入った純度詐称のジュエリーで騙されている人が後を絶ちませんのでお気をつけ下さい。金製品に刻印がないか純度表示だけのものは論外ですが、LBMA認定マーク以外の刻印の場合、買取価格の査定に厳しい影響を与えることがあります。LBMA認証マークまたは信頼できる製造者刻印、国別刻印がない金製品は、その純度や出所が不明瞭であるため、貴金属としての価値を認められにくく、買取を拒否される可能性が高まります。したがって、金を購入する際には、刻印の有無やその種類を確認することが大変重要です。特に、長期的な投資を考えている場合には、この点を十分に理解し、注意を払う必要があります。いざ食料と交換、換金しようとして偽物だったでは目も当てられません。
インフレーションは、通貨の価値が下がり、物価が上昇する現象を指し、インフレは必ず進む特性があります。歴史的に、インフレーションが高まると金価格が上昇します。これは、金が不変的な価値を持ち続けている資産であり、通貨の価値が下がると金価格が相対的に上昇するからです。例えば、1980年代初頭や2000年代初頭には、インフレーションが高水準に達し、株価や為替が大暴落する中、金価格は急騰しました。投資家はインフレーションヘッジとして金に資金を移動させ、金の需要が高まるのです。また、金は通貨への信任が揺らいだ際の「避難先」とされ、経済的不安や危機の際に金が求められる傾向が強まります。このように、インフレーションと金価格の関連性は、金が持つ価値の不変性から来ているといえます。インフレーションが進行すると、お金の価値が減少し、物の価格が上昇します。これに対して、金は物価が上昇した際にもその価値を保つことができるため、インフレーション対策として非常に有効です。例えば、過去のデータを参照すると、1970年代のアメリカではインフレーションが急上昇した際に金の価格も大きく上昇しました。これは、投資家が金を安全な資産として選択した結果であり、金がインフレーションに対する自然な防衛手段であることを示しています。純金インゴットや純金コインを所有することで、資産価値の減少を防ぎ、長期的な資産の安定を図ることが可能です。
金の価値は、経済や文化に左右される一方で、上昇トレンドしか存在しないという事実があります。古代エジプトから現代に至るまで、金は常に投資対象としての魅力を失うことはありませんでした。アメリカドルやユーロの価値に対しても金は自らの価値を保持し続け、インフレの影響を受けてもその価値は損なわれていません。記録が残っている間だけを見ても上昇トレンドとなっており、4500年前からの記録がもしあれば、やはり上昇トレンドだけでしょう。このため、金を保有することは投資家にとってリスクなくインフレから守る手段となっています。金が存在する限り、金は古代から続くその価値を保ち続けることでしょう。
地震や戦争など有事の際は手元に純金がなければ、スマホが使えず出金自体できなくなります。必要なときに引き出せなければ、ないのと同じです。現物の純金備蓄は手元に現物の金があるので、金貨や小判がそうであったように、貨幣のように使うことも容易にできます。腕時計や着物などは物々交換に向きませんが、金は誰でも共通した価値を理解しているので、1食分、米10キロなど、金と容易に交換することが可能です。
令和の今も食糧難が来たと備蓄が求められていますが、日本の住宅事情では缶詰やレトルトや米や乾麺など何万食分も収納するのは無理があります、お金では今の何百倍にも上がるであろう物価に対して紙切れ同然でしょう。よく映画でもそのようなとき金が用いられるのを見かけます、希少価値と有史以来変わらない価値を持つ金が、有事の際には小判や金貨同様威力を発揮します。